サンライズ瀬戸・出雲が運休や遅延した場合の払戻や振替の基本ルールを解説! サンライズに乗る前・乗ってからのトラブルで慌てないために、具体的なケースで払戻しや新幹線等への振替のルールを紹介!
初めに、列車が運休・遅延した際の乗車券や特急券、寝台券の取扱いの基本となる考え方を簡単にご紹介します。
トラブルが起きたときの切符の取扱いで気になるのは、変更や払い戻しができるのか?という点かと思います。細かいルール(旅客営業規則[1]等)は色々とありますが、それぞれの切符が何のための契約なのかを理解するとこの後の取扱いが想像しやすくなります。
これらを逆に見ると、それぞれの契約内容が満たせなくなった場合、すなわち乗車券は目的地まで運べなくなった場合、特急券は速達性が損なわれた場合、寝台券は一晩寝れなかった時に変更や払い戻しの対象となるという考え方です。
とはいえ、どういった場合に”運べなくなった”などと判断するかや、どのような基準で払戻せる(変更できる)かが利用者や駅員によって判断が分かれては不公平なため、先ほど紹介した旅客営業規則等でルールが細かく定められています。
ただ、全てのルールを紹介すると相当な分量になってしまうため、この記事では、トラブルケースのリカバリとしてよくある取扱いをピックアップしてルールとともにご紹介します。
なお、自己都合で旅行前に切符をキャンセル、変更する際のルールや手数料の例は以下の記事で詳しくご紹介しています!
今回は、出雲市から東京までサンライズ出雲を利用する想定で、以下の図に示すサンライズ出雲の切符を予め所持しているものとします(サンライズ瀬戸の場合も区間こそ違えど同じ考えです)。
その前提のもと、新大阪~米原駅間で線路故障が発生して以下3ケースのトラブルに見舞われてしまった場合それぞれのよくある取扱いの一例をご紹介します。
なお、紹介する以外の取扱いもあるほか、トラブルによっては別に取り扱われることもあります。そのため、実際にトラブルが起きた際は自身で判断せず、必ず駅係員等に取扱いを確認・相談してください。
また、以下で(規則第XX条)と記載があるものは、JR各社の旅客営業規則[1]の当該条文が出典です。
このケースはサンライズ出雲が全区間運休し、そもそも乗れなかったケースです。
このケースでは、出雲市駅で旅行を取り止める場合、すべての切符を無手数料で払い戻しできます(規則第282条2項)。
この場合の列車を用いたリカバリ手段としては、大きく2パターンあります。
まず、出雲市駅で直前で知った場合、もう当日に東京まで着ける列車はありませんので、上記の通りすべての切符を一度払い戻し、出雲市で一泊して改めて翌日の特急やくも+新幹線の切符を取り直すのが有力です。
または、早めに出雲市駅で運休を知れた場合は、乗車券はそのままで運休となったサンライズの特急券・寝台券を払い戻したうえで、当日の特急やくも+新幹線の特急券を取り直して向かう(又は当日中に行けるところまで行く)方法もあります。
いずれにしても別の列車で向かう場合、サンライズの特急券・寝台券は払い戻し、新しい列車の特急券を取り直し(買いなおし)が基本となります。
こちらも多いケースですが、なんとか出雲市からは乗れたものの、新大阪駅などの途中駅で運休となってしまったケースです。
この場合、何とかして東京まで行きたい場合と、新大阪で旅行を取り止める場合とで取り扱い方が異なります。
それぞれの切符の取扱いは少しずつ異なってきます(規則第289条、第282条、第282条の2)。
朝に新大阪駅で降ろされた後のリカバリとしては、できれば新幹線でワープしたいところですが…よく取られるケースは以下の通りです。
ルール上は、特急券を持って乗った特急列車が途中駅で運行不能(≒運休)となった場合、同一方向の他の特急によって旅行の継続を請求できる。ただし、のぞみ号等を利用しての継続の場合は請求できない(JRが特に認めた場合を除く)。(規則289条を意訳)とあります。
このルールを適用し、運休駅から先は(同線扱いとなる/規則第16条の2)新幹線で、のぞみ号の利用も認めたうえで旅行継続できるよう便宜を図っています。なお、この取扱いを受けて新幹線で東京へ向かえた際も特急券は全額払い戻し、寝台は6時まで利用できたかどうかで払い戻し有無が決まります。
余談ですがこの取扱いは「急乗承」と呼び、「急乗承の取扱いにより(のぞみ号を含む)新幹線利用を特認する(=特に認める)」という文言などが書かれた「業務連絡書」と呼ばれる紙を切符への証明と合わせて貰うケースがあります。
※なお、(レアケースですが)東京を目前にした品川駅以遠で打ち切りとなった場合は差額の払戻となります(規則第290条)。
東京は諦めて気持ちを切り替え、新大阪駅で列車旅を取り止めてそのまま大阪で過ごすケースでは、以下の取扱いを請求できます。(規則第289条、第282条、第282条の2)
特急券・寝台券の取扱いは先ほどと同様ですが、乗車券の取扱いが異なります。乗らなかった区間に対する運賃というのがポイントで、払い戻しで受け取った金額で、乗らなかった区間の切符をまた(損せず)買えるようになっているわけです。
比較として自己都合による使用開始後の変更では、もとの切符の値段から「乗った区間の運賃」と手数料を引いた残額が払い戻し金額となり、基本的には乗らなかった区間の切符を改めて買うと手数料を抜いても損をしますが、運休の場合には旅客が損をしないようなルールになっています。
なお、このケースでは新大阪駅で旅行取り止めによる払い戻しを請求する必要があります(規則286条)ので、改札を出る際に必ず係員に相談してください。
遅れにより用事がなくなってしまったなどで出発駅へ戻りたいケースです。
この場合、無賃送還といって直近の列車で出雲市駅まで無料で戻ることも可能です(規則第289条、282条、第284条)。利用できる列車はケースバイケースなので、駅係員に相談してみてください。
最後に、東京までは運行したものの遅れて到着したケースです。
東京で下車した場合、遅延時間によって特急券の払い戻し有無が異なります。
乗車券や寝台券は、先述の理由により払い戻しはありません。一方、特急券は速達の契約のため、2時間以上遅れた場合は特急料金は全額払い戻しとなります。なお、1時間59分遅れで到着した場合の払い戻しは一切ありません(この1分を全力で巻いてくるケースは時々目にします 笑)。
2時間以上遅れた際は改札等で遅れた旨を伝え、特急券に証明を貰っておきましょう。後日払い戻しがスムーズになります。
今回のケースではないものの、東京→高松・出雲市方面のサンライズ瀬戸・出雲が1時間程度遅延した場合に、過去、サンライズの切符を払い戻さない条件で、姫路から岡山に早く着く新幹線や、岡山から各方面へ早く着く特急列車への乗車を特認するケースがあったようです。
ただ、旅客営業規則を読む限りこの取り扱いに対応する条文は見当たりませんでしたので、JR各社の社内規則により特別に便宜を図っているものと思われます。
いずれにしてもトラブルで先の旅程に影響がある場合は、早めに駅係員や車掌に相談するのがベターです。