熊本と阿蘇方面を結ぶ観光列車「かわせみやませみ」の車内の様子やオススメ座席、車内販売など列車の楽しみ方や運行ルート上の見どころに加え、切符の料金や予約方法を5分でわかる記事でご紹介!
「かわせみやませみ」は、熊本駅と阿蘇駅、宮地駅間を豊肥線で結ぶJR九州の観光列車です。この列車では、バラエティ豊かな車内販売で軽食やドリンクを味わいながら、沿線の自然豊かな車窓、スイッチバックで山を上り下りする貴重な体験も楽しめます。
さらに、熊本観光の玄関口である熊本駅から阿蘇山のアクセスにも便利な阿蘇駅、阿蘇神社最寄りの宮地駅などを結ぶこの列車は、阿蘇方面の観光プランにもうまくフィットする列車です。
この記事ではそんな「かわせみ やませみ」に実際に乗車した経験をもとに、この列車の楽しみ方や見どころ、気になる座席や予約に関するあれこれを5分でわかる記事でご紹介します!
※2025年春のダイヤ改正で、定期列車としての運行を取りやめることが発表されました。乗るなら今!
この列車は2両編成で、1号車がブルーを基調として「かわせみ」モチーフ、2号車がグリーンを基調とした「やませみ」モチーフの車両です。
この列車は、通常のリクライニングシートを中心に、カウンター席やテーブル席、ソファ席などバリエーション豊かな座席が設置されています。以下で、座席の種類を余すことなくご紹介します。
まずは、最も席数が多いリクライニングシートです。以下の写真のように、九州でよく見るタイプの回転も可能なリクライニングシートです。ミニテーブルがひじ掛けの中に格納されています。
続いて席数が多いのが、カウンター席です。窓際の長いカウンターテーブルに向かって、チェアタイプの座席が設置されています。リクライニングシートよりテーブルが広めで、軽食を広げるにはちょうど良い座席です。
また、2号車には「やませみベンチシート」と呼ばれる座席があり、1人用の指定席ですが座席幅が広めです。ゆったりするも、指定席券が不要な幼児と二人で利用するにもちょうどよい座席です。
最後が、テーブル席とソファ席です。リクライニングシートとカウンター席の隙間を埋めるように、数は少ないですが、2,4人掛けのテーブル席や2人掛けのソファ席が設置されています。
上の写真が4人掛けのテーブル席、下の写真が2人掛けのテーブル席です。どちらも広々とテーブルを利用できるため、ゆったり利用できること間違いなしです。
以下の写真がソファ席です。この写真は2号車の車端部にあたる14,15番席で2人掛けソファが向かい合う形で並んでいます。ここは荷物スペースを挟んで半個室のようになっているため、4人で旅行する際にここを押さえるとちょっとしたプライベート空間を楽しむこともできます。
ここまで指定席の座席バリエーションをご紹介しましたが、この他にも子供用の座席が並んだフリースペースなども設置されています。
この章の最後に、とっちの考えるオススメ席に加え、”ハズレ席”と呼ばれる席とその席を避ける方法をご紹介します。
この列車には様々な座席タイプがあるため、基本的には人数別にフィットする座席を選ぶのがオススメです。例えば、1人旅ならカウンター席、2人旅なら2人用テーブル席やリクライニングシートといった具合です。4人の場合はテーブル席やリクライニングシートを前後で取る、または2号車車端部のソファ席をまとめて押さえるのも先ほどご紹介したように個室感があって面白いです。そのうえで、以下でご紹介する”ハズレ席”と呼ばれる座席に注意できるとより車窓を楽しめると思います!
”ハズレ席”とは、座席配置と窓枠等の位置関係で眺望が悪い席のことを言い、この列車はハズレ席が若干多めです。
具体的には以下の写真(1号車1番席)が一例で、後ろの座席と見比べても窓が小さめなことが分かるかと思います。
なお、ハズレ席には、上の写真のように窓が”比較的小さい”座席と、窓が”ない”座席の2種類があり、前者はハズレといえど見ての通り車窓は楽しめます。
座席指定時の参考に、この列車の座席表とハズレ席をプロットした図は以下の通りです。
なお、指定席券売機やe5489などでシートマップを表示して購入する際は、注意書きが表示されますので避けて取ることも可能です。
いずれにしても、この後ご紹介する車内販売などで列車旅を楽しめる仕掛けはたくさんありますので、あまり気にしすぎなくても大丈夫だと思います!
この列車の2号車には車内販売カウンターがあり、地元や球磨地方名産のドリンクや軽食・スイーツのほか、オリジナルグッズなど様々なメニューで販売されています。
ドリンク類では、球磨地方名産の焼酎を使ったカクテルや地ビールなどのアルコールドリンク、晩白柚(ばんぺいゆ)のサイダーやコーヒー・お茶などのソフトドリンクなど好みに合わせて選ぶことができます。
スイーツ類ではアイスやケーキに加え、変わり種でからしレンコンチップスといったものもラインナップされていました。
この他、私が乗車した際にはおにぎりとのっぺ汁のセット、ジビエカレーのホットサンドの2つがメニューにありました。
メニューは時々リニューアルしますので、気になる方は事前にJR九州のかわせみ・やませみ公式サイト[1]でメニューを覗いてみてください。
ここでは、この列車の運行ルートと見どころを地図でご紹介します。以下の地図にルートや見どころをプロットしています。ピンやルートはクリックすると説明を表示できます。
途中駅の立野駅には、列車が高低差のある路線を上り下りするための「スイッチバック」と呼ばれる設備が敷設されています。
地図を立野駅付近でズームして見ていただくとイメージしやすいと思いますが、一気に登ると急になる坂を、何度か方向転換することで勾配を緩やかにして坂を上り下りする設備です。車内ではアテンダントさんが絵付きで解説してくださるので立野駅到着・発車の際は注目です。
阿蘇駅は駅のすぐ横に「道の駅阿蘇」があり、阿蘇名産の牛乳を使用したソフトクリームなどを堪能できます。
また、阿蘇山へのアクセスに便利な駅でもあり、駅前からレンタカーや路線バスで観光地の草千里や火口付近まで向うこともできます。どんどん標高を上げる中で見下ろす絶景を楽しんだり、広々とした草原で乗馬を体験することもできます。
この列車の終点・始発となる宮地駅は、駅前から15分ほど歩くと阿蘇神社があります。列車の乗継の待ち時間などにもちょうどよい観光になると思います。
最後に、この列車の料金と予約方法についてご紹介します。この列車は全車指定席の特急列車の扱いのため、列車に乗るには乗車券と指定席特急券の2枚が必要です。かわせみ・やませみの運賃・料金は以下の通りです。
列車 | 区間 | 乗車券 | 特急券 |
---|---|---|---|
特急かわせみやませみ | 熊本→宮地 | ¥1130 | ¥1830 |
※2024年4月時点の金額
また、予約に関しては基本的には特急取る場合と同じ方法で予約ができ、乗車日1か月前の朝10時から全国で一斉に発売されます。
ここでは、ウェブ予約と駅での予約の2つの方法をご紹介します。
こちらが手軽な方法で、JR九州のウェブ予約サービスから予約ができます。座席表を表示してピンポイントで席を選んで予約することもできるため、海側の座席など希望がある際にも活用できます。
また、1ヶ月前の発売からさらに1週間前から「事前申込」をすることもできます。これは、発売開始の1週間前から事前受付し、発売開始となる1か月前の10時から順番に購入処理される方法です。事前申込したから優先されるということではないものの、連休などの混雑が予想される日の列車を予約したい場合は選択肢です。
なお、いずれの場合も予約した切符は乗車前にJR九州の駅の指定席券売機などで切符を発券する必要がありますのでご注意ください。
九州に限らず、全国の駅の窓口や指定席券売機でも購入できます。
駅の窓口で予約する場合は、備え付けの申込用紙か口頭で、乗車日と区間、列車名と時刻・人数を伝えれば予約できます。また指定席券売機の場合は、通常の特急同様に「乗継案内」などの画面から乗車区間や時刻を入力することで予約することができます。
1点注意点として、テーブル席とソファ席はウェブや券売機から予約できず、駅の窓口のみで予約を受け付けているため、これらの席を予約する際は注意が必要です。
いかがでしたでしょうか。この記事がかわせみ・やませみや熊本旅行の計画の一助になれば幸いです!
また、同じく熊本駅から発車し、天草・三角方面を結ぶ観光列車「A列車で行こう」を以下の記事でご紹介しています。旅の計画の参考にぜひご覧ください!
参考サイト