愛媛を走る大人気の観光列車「伊予灘ものがたり」で絶景グルメの旅時間! オススメ座席や車内販売、食事の楽しみ方に加え、食事なしでも楽しむポイントや、列車の予約方法や人気の切符を取るコツをご紹介!
「伊予灘ものがたり」は、愛媛の県庁所在地である松山駅と、オーシャンビューが有名な下灘駅を通り、伊予大洲、八幡浜駅を予讃線経由で結ぶ大人気の観光列車です。JR四国は四国各県で「ものがたり列車」と呼ばれる観光列車のシリーズをこの列車を含めて3本運行しており、この列車はその元祖です。
朝から夕方にかけて1日4本運行される列車では、モーニングからランチ、アフターヌーンティまで時間帯に応じた多彩な食事を楽しめたり、下灘駅を始めとする伊予灘の絶景を楽しみ、そして何より車内や沿線各地での様々なおもてなしが光る素敵な旅時間を気軽に体験できます。
この記事では、そんな「伊予灘ものがたり」の車内の様子や予約制の食事・車内販売など旅時間の楽しみ方に加え、気になる予約方法や人気の切符を取るコツを実際に乗車した経験を踏まえてご紹介します!
列車が運行する区間を地図にプロットすると以下の通りです。始発・終着駅のほか、見どころの駅にもいくつかピンを入れました(クリックすると説明を表示できます)。
どの便も海側の路線を走り、下灘駅で下車できる時間があります
この列車は3両編成で運転されおり、1,2号車がカウンターやボックスのソファ席、3号車が1両丸ごと1個室として運用されています。
ここでは、車内の様子として各車両の座席や車内設備、オススメの座席をご紹介します。
座席は大きく2,4人用のボックス型のソファシートと、カウンター型のソファシートの2種類があります。
2号車の全景は上の写真の通りで、1号車も若干座席配置は違いますが、似たような配置です。
4人掛けシートは大きなテーブルを挟んでソファ座席が2つずつ向かい合う配置で、3人以上で利用する場合に予約できます。
2人掛けシートは、以下の写真のように、4人掛けシート同様同様にテーブルを挟んで対面式のソファが配置されています。この座席は山側に配置されているものの、景色の良い海側に向かって少し角度がついていて床面が一段高くなっているため、伊予灘の景色も十分楽しむことができます。
カウンター席は海側を向いており、伊予灘を目の前に走る区間では景色を余すことなく楽しむことができます。
基本的には二人掛けですが、その中でも上の写真のように1つのソファでペアシート型になっている座席と、下の写真のように独立したソファが並ぶ席の2つがあります。
最後にオススメ座席ですが、基本的には海側の座席(2人掛け座席のA-B席と1号車の4人用BOXシート)がベストです! ただし、山側の座席でも海を向いて角度がついているため景色はしっかり楽しめます!
この他、3号車は8人用の特別個室「フィオーレスイート」で、なんと1両丸ごとを8人用個室として設定する贅沢な空間です。
大人数で旅行する際の贅沢にいかがでしょうか。
旅行中にスマホで写真を撮る機会も多い中、コンセントやWi-Fiがあるかは気になるところですよね。
コンセントは各座席(又は座席周り)に設置があり、適宜利用可能です。また、車内にはフリーWi-Fiも整備されていますので、いずれも安心です。
JR四国の「ものがたり列車」の醍醐味の一つが、豪華で目にも楽しい食事です。
こちらの写真は、朝の便「大洲編」に乗車した際の食事です。4便それぞれの時間帯に合わせて大洲編はモーニング、双海編と八幡浜編はランチ、道後編はアフターヌーンティセットとメニューも異なっていますが、それぞれ異なる地元のお店が監修する本格な料理が楽しめます。せっかくの観光列車の旅時間、タイミングが合えばぜひ食事も一緒に楽しんで見てはいかがでしょうか。
注意点として、こちらの食事は列車の座席とは別に事前予約する必要があります。まずは列車の座席(特急券)を予約し、その後以下いずれかの手段から食事の予約を行う流れです。優良な予約方法について、ポイントや注意点を併せてご紹介します。
また、伊予灘ものがたりを含めた全3本のものがたり列車を堪能した旅行プランもご紹介しています。
ここまでオススメの事前予約制の食事についてご紹介しましたが、一方で直前で列車を予約した場合など、食事なしでも楽しめるのか気になる方もいらっしゃると思います。
結論としては、食事なしでも十分楽しめます! というのも、この後ご紹介しますが、この列車ではバラエティ豊かな車内販売があり、軽食を食べたり、お酒を飲み比べたり、はたまたスイーツを楽しんだりと、好みに合わせた楽しみ方も幅広く選べます。
旅の当日や直前に空き状況を見て、開いていたらちょっと予定を変えて観光列車の旅、というのも十分に成り立つ列車です!
この列車には車内販売もあり、ドリンクやスイーツ、おつまみなどの軽食、オリジナルグッズなどが数多くラインナップされています。
座席から注文することができ、ドリンク類では、地ビールやカクテル、ワインなどに加え、ウイスキーや地酒の取扱いもありました。ノンアルコールもコーヒーや紅茶、緑茶のほかみかんジュースやソーダなど豊富に取り揃えられています。
ちなみにお酒好きの方には、選べる地酒の3種のみ比べセットはいかがでしょうか?
上の写真は、同行者と共に2セット頼んだ際の写真ですが…これだけでも楽しめそうなのが伝わるでしょうか。
軽食では、おつまみプレートや愛媛名産のじゃこ天、松山で有名な坊ちゃん団子や霧の森大福、ケーキやキッシュなど様々です。また、グッズもキーホルダーやパスケースなど色々な種類が準備されています。
メニューはJR四国の伊予灘ものがたりの公式ページ[1]にも掲載されていますので、乗車前に確認したい方はそちらをご覧ください。
最後に、この列車の料金と予約方法についてご紹介します。
この列車は全車グリーン車指定席の特急列車の扱いのため、列車に乗るには乗車券と指定席グリーン特急券の2枚が必要です。また、予約に関しては基本的には特急取る場合と同じルールで、乗車日1か月前の朝10時から全国で一斉に発売されます。
ただし、他の特急券と違いe5489などのウェブ予約サービスや指定席券売機(みどりの券売機)からは購入できないため、基本的に切符は窓口購入限定となる点に注意が必要です。また、食事を予約する場合は、これに食事の料金が別途必要です。
伊予灘ものがたりの乗車料金は、ざっくりとは、運賃、特急料金、グリーン料金の3要素の合算となります。
通常の座席を利用する場合は、以下の図のように、乗車券と特急券、グリーン券の合算額が総費用となります。
主要区間の通常期の運賃・料金の参考は以下の通りです。
区間 | 運賃 | 特急&グリーン料金 |
---|---|---|
松山~伊予大洲 | ¥1,080 | ¥2,900 |
松山~八幡浜 | ¥1,430 | ¥2,900 |
フィオーレスイート(個室)を利用する場合の乗車料金の総額は、ざっくりとは、人数分の運賃、特急料金に、グリーン個室料金の3要素の合算となります。
すなわち、計算式としては以下の通りです。
主要区間の通常期の運賃・料金の参考は以下の通りです。
区間 | 運賃① | 特急料金② | 個室料金(1室)③ |
---|---|---|---|
松山~伊予大洲 | ¥1,080 | ¥1,200 | ¥33,600 |
松山~八幡浜 | ¥1,430 | ¥1,200 | ¥33,600 |
※詳細や正確な価格は必ず駅やルート検索アプリなどでご確認ください。
例えば、松山~八幡浜間にて大人4人と子供2人の計6人で使う場合は、【大人運賃+特急料金】(1,430円+1,200円)×4人分+【子供運賃+特急料金】(710円+600円)×2人分+【個室料金】33,600円=46,740円となります。
切符は発売日以降、JR四国内に限らず全国の最寄りのJR駅のみどり窓口でも購入できます。
駅の窓口で予約する場合は、備え付けの申込用紙か口頭で乗車日と区間、列車名(伊予灘ものがたり/●●編)と時刻・人数を伝えれば予約できます。希望の座席タイプがある場合は、公式サイトの座席表を手元に準備しておくとスムーズです。なお、列車の空き状況はリアルタイムではないものの、JR四国の公式ページ[1]から確認できます。
予約後は、必要に応じて食事の予約もお忘れなく!
JR四国ツアーでは「駅長推薦 あじな散歩道 ものがたり列車きっぷ[2]」という旅行商品(ツアー)が企画されており、四国内発着の往復切符(又は四国内フリー切符)、この列車の切符及び事前予約制の食事がセットになったプランをウェブからも申し込み可能です。
こちらのポイントとして、1か月以上前から予約申し込みができる点があります。e5489などの「事前申込」と同様に切符の手配は1か月前の10時からで、早く申し込んだからと言って座席が保証されているわけではないですが、1か月前以前に申し込めば基本的に発売日に手配してくれるため、タイミングよく駅の窓口に行けない場合などはこのツアーをうまく活用しましょう。食事も含まれているため、予約が1回で完結する点も便利です。
私も何度かこちらから申し込んだことがありますが、私のケースでは毎回希望列車の予約を取っていただけました。
JR四国には特急にも乗車できるフリー切符が数多くあります。この列車でもグリーン席が有効な以下の切符であれば追加料金なしで座席は予約できます(フィオーレスイートは運賃のみ有効)。
なお、特急自由席が乗り放題になる「四国フリーきっぷ」や「(通常の)バースデイきっぷ」の場合、座席利用時は運賃のみ有効、フィオーレスイート利用時は運賃も料金も(つまり全額分)必要になります。
フリー切符については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
伊予灘ものがたりはかなり人気のある観光列車のため、予約しようと思っても満席で取れなかった…というケースもよくあります。特に、双海編や午後の八幡浜編は時間帯もよく特に人気があるようです。ここで、そんな人気の切符を押さえるコツをご紹介します。
この方法は、発売日の10時前に窓口に行き「10時発売の切符を取りたい」というと、(駅によりけりですが)専用の列で待ち、10時前にその列の先頭から窓口に案内され、10時の瞬間に予約発信してもらえるというものです。
ただ、全国の駅で同じことをする人がいるので、最後は運に任せるしかありません。また、最近は窓口が少なくなっていることもあり、駅に着いたころには窓口の数以上に並んでいたり、そもそも対応してくれない駅もあるので事前に様子や対応可否は駅に確認しに行くのが安全です。
もう一つは、先ほどご紹介した旅行商品(ツアー)として申し込む方法です。先述のJR四国ツアーに限らず各旅行会社がツアーとして企画する場合もありますので、こちらで予約するのも手軽でおすすめな方法の一つです。
私はタイミングよく駅に行く時間が取れないことが多いため、こちらの方法でお願いすることが多いです。
上の写真は、2021年まで走っていた1代目の伊予灘ものがたりの車両です。2022年から現在の2代目車両にリニューアルし、ますます磨きがかかった伊予灘ものがたりにぜひ一度足を運んでみてください。
この記事が、素敵な四国旅行の一助になれば幸いです!
なお、他のものがたり列車を含むJR四国の豪華観光列車を以下の記事で総まとめしています!四国旅行計画の参考にぜひご覧ください!
参考ページ