高原の小海線を走る観光列車「HIGH RAIL1375」の車内やオススメ座席、野辺山駅での星空観賞会や予約制の特製弁当、車内販売などの楽しみ方に加え、切符の料金や予約方法を5分で解説!
「HIGH RAIL 1375(ハイレール1375)」は、JRの最高標高を通る小海線を走る観光列車です。
列車名にもなっているJR線の最高標高1375m付近の高原から見上げる天空や星空が大きな見どころの一つです。更に夜に走る便では、途中の野辺山駅では列車の外に出て星空案内人による「星空観賞会」が開催されるのもお楽しみポイントの一つ。
この記事では、そんなHIGH RAIL 1375の車内や各便の楽しみ方、予約について実際に何度も乗った経験を元にご紹介します!
列車は2両編成で、バリエーション豊かな複数の座席タイプを中心に、車内販売カウンター、そしてギャラリーも設置されています。
以下では車内の様子やオススメ座席をご紹介します。
この列車には大きく4タイプの座席が設定されています。
リクライニングシート:こちらはよくある2+2列のリクライニングシートです。
ゆったりした座席で前の座席にテーブルが設置されています。座席を回転させれば4人座席にもできるため、2人や4人旅行に最適です。また、一部車いす対応の1人掛けの列もあります。
ペアシート:つづいて、カップルや親子旅、仲良しの2人旅などに最適なペアシートです。
窓を向いた2人掛けシートで、車窓を楽しむにはもってこいの座席です。窓際にテーブルもあるため、食事やドリンクを置くにも快適です。
なお、この後でもご紹介しますが、「星空」号は夜に走るために車内の明かりが反射するため、車窓はあまり楽しめない点はご注意を。
シングルシート:こちらは、一人旅に最適なシングルシートです。
座席が進行方向に対して斜めに向いているため、車窓もゆったり楽しむことができます。
また、隣の座席を回すことで2人向かい合った座席にすることも可能です(ただし、テーブルが少し手狭になります)。
ボックスシート:最後が3~4人での旅行に最適なボックスシートで、1号車の端に2か所(8席)設置されています。
4人向かい合わせで中央にテーブルが設置されているため、食事やドリンクを広げての旅行に最適です。なお、車両構造の関係でAB席側は窓がないためその点は注意が必要です。
基本的にはどちら側にも見どころがあるため、進行方向左右の座席で車窓に大きな優劣はありません。そのため、人数にフィットする座席を選ぶのを優先して間違いないと思います!
おもな見どころとしては、小淵沢駅→中込駅の間では進行右側にあたるペアシートやリクライニングシートのA,B席側、ボックス席の8番席側が八ヶ岳が何度か見えるため若干おススメです。JR最高地点標は進行左側にあります。
席番では、リクライニングシートの2号車7列目の座席は、配置の関係で窓1つを独り占めできるため、空いていたら特におすすめの座席です。
なお、車窓の観点では夜に走る「HIGH RAIL星空号」では、車内の明かりが窓に反射するため車窓は望めません。そのため、車窓を前面に推したペアシートでは若干物足りないかもしれません。
また、各座席のコンセントやWi-Fi事情ですが、座席や車内にはコンセントは設置されていませんでした。車内にはWi-Fiが飛んでおり手元のスマホなどを接続することで、星空や星座の案内、列車の前面ライブ映像などを楽しむことができます。ただし、Wi-Fiからインターネットには接続できませんでした。
2号車には「ギャラリーHIGH RAIL」が設けられています。
ここには星や宇宙にまつわる本が設置されていて乗車中自由に読むことができるほか、天井にはドーム型のスクリーンに星空が投影されています。
1号車には車内販売カウンターが設置されています。
グッズやお土産のほか、アルコールやソフトドリンク類(ワインやビール、サイダーなど)と、HIGH RAIL1,2号ではアイス(いわゆるスゴイカタイアイスです笑)も販売されています。
なお、食事メニューの当日販売はないため、しっかり食べたい場合は後程ご紹介する特製弁当を予約するか、あらかじめ持ち込む必要があります。
HIGH RAIL 1375は週末(シーズンにより金・月も運転)を中心に午前中から夜にかけて1日3本運転されています。ここでは、それぞれの列車で異なる見どころをご紹介します。
朝から昼間~夕方を走るHIGH RAIL 1,2号は、高原の車窓が一番の見どころです。
HIGH RAIL1号では昼間の青々とした世界を車窓の両側に楽しむことができます。八ヶ岳のほかに高原野菜の畑も通るので、季節によってはみずみずしい野菜も目にできることも。
HIGH RAIL2号は昼過ぎから夕方にかけて走行するため、秋口以降は徐々に山に沈んでいく太陽が染める景色を乗車時間にわたって楽しむことができます。
また、どちらの列車もJR最高標高の野辺山駅にしばらく停車するため、記念撮影などを楽しむことができます。
一方で、夜に走るHIGH RAIL星空号は、外が暗く車内の明かりが反射してしまい、車窓は正直なところあまり期待できません。
その代わりに、途中の野辺山駅で40分ほど停車し星空案内人による「星空観賞会」が開催される点が大きな見どころです。
駅から歩いてすぐの丘で、その日の星座や季節の星空についての解説を聞きながら、夜空を楽しむ時間は普段もあまりできないユニークな体験です。なお、高原の夜は一気に冷え込むため羽織るものや防寒具はお忘れなく!
HIGH RAIL 1号とHIGH RAIL星空号では、事前予約&車内受取限定の特製弁当が販売されています。小淵沢の有名な駅弁メーカーの丸政さんの特製ですので、乗車した際はぜひ!
メニューは1号と星空号で異なっており、1号では以下の写真のような「高原ブランチ」です。品数豊富なサンドイッチにくわえて、新鮮な野菜サラダがいただけるのがポイント。
星空号では「特製弁当」として、信州牛や信州サーモンなどの特産品をふんだんにあしらったお弁当です。味わいの異なるおむすびが4つ入っており、夜ご飯としてのボリュームも十分でした。
「高原ブランチ」は1号乗車時のみ、「特製弁当」は星空号乗車時のみ車内で受け取れるため、注文間違いにはくれぐれもご注意を。
お弁当の予約は、HIGH RAIL 1375のウェブサイト[1]から、予約サイトへのリンクが掲載されています。
以上が列車のご紹介で、ここからはこの列車の料金や予約方法についてご紹介します。
この列車は全車指定席の快速列車の扱いのため、「乗車券」のほかに「指定席券」が必要で、価格は以下の表のとおりです。
乗車券 | 小淵沢~小諸の例 | ¥1,520 |
---|---|---|
指定席券 | 乗車区間に依らず一定額 | ¥840 |
切符は駅の窓口や指定席券売機、またはえきねっと等のネット予約サービスから乗車日1か月前(同日)の10時に全国一斉に発売されます。例えば、列車に2月15日に乗る場合、1か月前同日となる1月15日の10時が発売開始日時です。
先ほど切符は1か月前の10時から発売とご紹介しましたが、図にすると以下の通りです。
先着順のため、連休や長期休暇中等の混む時期には発売日、特に発売開始直後に購入することが鉄板の方法です。
手軽に発売開始時の指定席券を予約できる方法として「えきねっとの事前申込」についてご紹介します。
JR東日本のネット予約サービス「えきねっと」には、「事前申込」なる仕組みが存在します。これは、発売開始の1週間前から予約を事前受付し、発売開始となる1か月前の10時から順番に購入処理される方法です。
結局は10時から順番に処理されるものの、十分早いタイミングで予約を取ってくれます。駅に出向く時間がない場合は手軽でおすすめの方法です。
なお、えきねっとでも「10時打ち」のようなこともできますが、10時前後にサーバー落ちすることがよくあるので、事前申込しておくのが無難です。
実際に関東在住の私がHIGH RAILを利用して旅行計画した経験を踏まえ、この列車を活かしやすい日帰り旅プランをいくつかご紹介します。
昼頃に軽井沢・小諸に到着するHIGH RAIL1号、昼過ぎに折り返し発車するHIGH RAIL2号は、軽井沢・小諸エリアの観光と相性が良いダイヤです。
小諸駅にはエキナカにバーがあったり、近くに史跡があったりと街歩きが面白いエリアです。
軽井沢は東京から新幹線で向かえばすぐですが、あえて特急あずさで小淵沢経由で向かってみると、違った一面が見れて面白いと思います。
星空号は夜の初め頃に小淵沢駅を発車するため、昼間の山梨・甲府観光との相性が抜群です。ウイスキー工場を見るもよし、以下の記事のように甲府グルメを巡ってもよしです!
いかがでしたでしょうか。
この記事が皆さんの山梨・長野旅行の計画の一助になれば幸いです!