この冬に千葉で開催された「BOSO 地酒バルトレイン」で北総の地酒を堪能した旅ログ。銚子電鉄の小旅行の後、サイクルトレインB.B.BASEをバルに仕立てた列車で明媚な景色と共に大満足のほろ酔い時間を。
今回のメインイベントの「BOSO地酒バルトレイン」は、2023-2024年の冬シーズンに千葉でJR東日本が企画した旅行商品です。自転車を持ち込めるサイクルトレインとして運行される列車「B.B.BASE」をバルに仕立てて、車内で県内各地のお酒を飲み比べ、地域の食材をふんだんに活かしたおつまみとともに楽しめるお酒好き必見のイベントです。
内房コース・外房コース・北総コースの3コースの7日程14列車が運行され、各コース概ね2時間半~3時間の行程で参加費は5,000円です。コースや日程毎に異なる酒蔵のお酒・おつまみが準備され、それぞれの列車に酒蔵の蔵人が乗り込んで実際にお酒の紹介や交流まで楽しめます。それぞれの蔵人がどのようなコンセプトで仕込んだお酒なのかだったり、銘柄ごとの特徴の違いなどを丁寧に説明いただき、日本酒初心者でも飲み比べが楽しくなる、あっという間の3時間でした。
今回は北総コース(銚子→成田)に参加した様子をご紹介します。銚子の小旅行と合わせてかなり満足度の高いの日帰り旅になりました。
今回の旅の玄関口は銚子駅です。銚子までは東京から特急わかしおで2時間弱の移動です。この車両は3月のダイヤ改正でN’EXの車両に置き換わるため、乗り納めの目的も。
銚子は醬油工場が有名で、駅のキオスクでは「しょうゆソフト」が販売されています。真冬でしたがせっかくなので1つ頂きました(笑)。
醤油の香ばしさを感じるユニークなお味でした。塩バニラが好みの方にはぴったりかも。
銚子でもう一つ有名なのが、銚子電鉄です。大赤字を逆手に取った自虐も混じったマーケティングが話題で、「ぬれ煎餅」や「まずい棒」など電車以外の商品も有名な会社です(奏功してか、去年は黒字になったとか!)。
バルトレインまでは2時間ほど時間があるため、片道20分の犬吠駅までお出かけして軽くお昼とお買い物へ。
犬吠駅には銚子電鉄の売店やたい焼き屋さん、駅前には寿司屋もあります。寿司屋で腹ごしらえをしてから、売店でまずい棒を購入(「経営がまずい」のパロディでお菓子自体は美味です)。
余談ですが、八王子近辺の方には有名なきぬた歯科とのコラボポスターや、グッズまで売ってました(笑)。
そうこうしている間に帰りの列車が到着、いよいよバルトレインの旅が始まります。
銚子駅に到着すると、既に「BOSO地酒バルトレイン」はホームに停車していました。
駅で受け付けを済ませて、いよいよ車内へ乗り込みます!
座席は指定されており、席には既におつまみセットとお水がテーブルに準備されていました。
通勤列車を改造した車両なので、座席周りはどんなものかと思っていましたが、椅子は柔らかく足元も広いためゆったり利用できました。
ちなみに、2人掛けシートはこんな感じです。
普段は自転車とともに乗り込めるサイクルトレインだけあって、自転車を立てるスタンドも。サイクリストでなければなかなか乗る機会もないため、その意味でも面白い経験です。
この列車では、3つの酒蔵からそれぞれ4種類(計12杯)のお酒をいただけます。銚子を発車して間もなく、1蔵目のお酒と銘柄の紹介シートが運ばれてきました。
既にプラカップに入った状態で運ばれてきて、1~4の番号がふらています。
その番号と一緒に配られた銘柄シートの番号が対応しており、ほろ酔いの時でもわかりやすい良心設計でした(笑)。
蔵人の方からそれぞれの原材料や仕込み方の違い、味の違いなどを丁寧に解説していただきました。プロの説明と合わせて飲み比べてみると日本酒が何倍も楽しくなりますね。
ちょうど飲み終わったくらいのタイミングで、2蔵目、3蔵目と同じように4杯セットと銘柄シート、蔵人の説明タイムを楽しみます。蔵ごとにお酒に対しての思いやコンセプトの違いもあり、蔵ごとに比べる観点でも面白かったです。
お酒の多様さもさることながら、おつまみセットも魅力的でした。
北総コースでは道の駅から提供のおつまみセットで、銀鮭の味噌漬け焼きや塩麹餃子など発酵食品を生かした献立で、お酒のおつまみとしても、小腹を満たすにもジャストフィットなメニューでした。
先ほどの呑み比べのほか、4号車では樽酒もふるまわれました。
お酒の銘柄は、呑み比べ2蔵目に登場した「仁勇」でした。枡の木の香りと相まって、これまたいい気分です。
通勤電車のドアと升のツーショット写真は、普段はまず撮れないシーンでなかなかユニークです。
今回のロゴの刻印が入ったオリジナルの升は、記念に持ち帰れます。
北総コースは潮来や佐原から鹿島神宮など、霞ヶ浦近辺の高架から景色が綺麗な区間を走るため、景色も楽しめる観光列車ならではのシーンも随所にあります。
3時間近い乗車時間でしたが、あっという間に過ぎてしまいました。蔵人と話している時間や景色を楽しむ時間、お酒やおつまみを楽しむ時間、それぞれが過不足なくゆとりをもって過ごせるステキな時間を過ごせました。
最近は全国でも工夫を凝らした観光列車があちこち走っており、JR東日本の同じようなコンセプトでは新潟のShu*Kuraが有名ですが、その土地の良さをうまく取り入れた企画やメニューがあると、こっちも乗ってみようかな、というモチベーションにも繋がります。
この企画に関しては、また開催されることがあればほかのコースにもぜひ参加したいところです。
→2024年4月に北総編が開催されるとのリリースがありました!
今回、旅の前に準備したことは以下の通りです。
参考:今回の「BOSO地酒バルトレイン」に関するJR東日本のプレスリリースはこちらです。
なお、お酒がテーマのイベント列車のため、申込み・参加は20歳以上限定です。