新潟や庄内を走る観光列車「海里」の海側オススメ座席やコンパートメント席との比較、予約限定弁当や車内販売など楽しみ方に加え、コンセント・Wi-Fi事情、切符の料金や予約方法を5分で解説!
「海里」は、新潟駅から日本海に沿ってあつみ温泉や鶴岡を通り、酒田駅までを結ぶJR東日本の観光列車です。「新潟・庄内の食と景観を楽しむ列車」がコンセプトの列車は、沿線各地の観光と組み合わせて楽しめる要素が盛りだくさんでした。
この記事では、指定席の各座席の様子やオススメ座席、列車の楽しみ方や見どころ、食事や切符の予約方法などの実際のトコロをご紹介します。
初めに、この列車に乗って感じた楽しみ方のポイントを2つご紹介します。
まずは「食」のコンセプトです。事前予約限定の特製弁当に車内販売のドリンクを併せるとちょっと贅沢なランチタイムになり、会話にも華が咲きます。
続いて「車窓」も外せません。この列車が主に走る羽越線は日本海に沿っているため、温かい時期は穏やかな、寒い時期は荒々しい日本海を間近に楽しめる区間を何度も通ります。
警官のいい区間では速度を落としてくれることもあり、ゆったり眺める贅沢な時間を楽しめます。
この列車は4両編成で、1号車がリクライニングシート、2号車が半個室のコンパートメントシート、3号車が売店・フリースペースで、4号車は旅行商品専用のエリアです。どの車両も窓が大きく景色は抜群で、指定席は1,2号車です。ここでは、それぞれの指定席座席の特徴を以下にご紹介します。
1号車は指定席リクライニング席です。1車両に30席だけのゆったりした座席配置で、座席が若干窓に向いているため車窓を広々楽しめ、リクライニングも相まって長時間乗っていても疲れにくいです。
お弁当や飲み物を出す際には、座席のひじ掛けにミニテーブルがあるほか、前の座席にはね上げ式のテーブルが備わっていて快適です。
ただし、酒田→新潟を向いた際の7B,7C席は、以下の写真のように前の席が窓側1席しかなく跳ね上げのテーブルがないため注意が必要です。
そのほか、車端部にはフリースペースがあり、前面車窓を楽しんだりリフレッシュにも最適です。
2号車は4人のグループ旅行に最適な半個室の4人掛けコンパートメント席です。大型のテーブルがあるほか、個室ではないものの隣のボックスシートとは仕切られていて、プライベート感もあります。
また、料金がリクライニングシート利用時と同額な点がうれしいポイントです(ただし、3人以下で利用する場合相席になる可能性あり)。併せて、コンパートメント席の特徴として、背もたれを動かすとフルフラットシートに変形させることができる点があり、列車の中で足を伸ばしてゆったり談笑する贅沢を味わえます!
車窓の観点でのオススメ座席は日本海側となる座席で、リクライニング座席ではA席側です。また、コンパートメント席はいずれも海側に設置されていますので、どの席でもオーシャンビューが楽しめます。
海側座席の注意点として、午後便では夕日が広い窓から差し込んでくるため季節によってはまぶしいことも。とはいえブラインドはあるため気にしすぎる必要はありませんし、特に夕日が沈んだ直後のグラデーションは絶景です。
なお、反対側の座席からの車窓では海沿いの区間では山側ですが、庄内平野に出ると豊かな田園風景を楽しめます。
長時間乗車する場合は気になる指定席のコンセントやWi-Fi事情ですが、まずフリーWi-Fiは整備されていました。
コンセントは、コンパートメント席には1スペースに1つ設置されていますが、リクライニング座席には設置されていませんでした。
なお、車端部のフリースペースには共用コンセントが設置されていましたので、座席利用時は必要に応じてこちらが利用可能です。
指定席は座席だけの予約に対して、旅行商品は座席に加えてお酒や特製の料理なども全てコミコミのパッケージとして発売されます。4号車が旅行商品専用の車両となっており、4人用のボックスシートや2人向けのペアシートが設定されています。
旅行プランの内容や予約方法は、JR東日本の海里公式ウェブページ[1]から確認できます。少し値段は張りますが、ちょっぴり贅沢な旅行にはピッタリです。
3号車には、車内販売カウンターが設置されていて、ドリンクやお菓子、オリジナルグッズなどを購入できます。
お弁当などの食事メニューの販売はないため、しっかり食べたい場合は、次にご紹介する予約限定のお弁当を予約するか、駅で調達してから乗り込みましょう。
なお、基本ダイヤの場合は途中の桑川駅(新潟行きは鶴岡駅でも)で停車時間があるため、隣接する店舗で軽食類を仕入れることも可能です。
この列車では、乗車時&事前予約限定で特製弁当を車内で受け取ることができます! 私が乗車したタイミングでは、イクラやサーモン、カレイやえびしんじょうといった海の幸が詰まった見ても楽しいメニューでした。
JR東日本の「うけとりっぷ」というサービス(リンクは海里公式ページ[1]にあります)から予約できますので、乗車の際は要チェックです。なお、予約時に席番が必要になるため、あらかじめ座席の予約をお忘れなく。
この列車は全車指定席の快速列車として運行されており、「指定席」を予約するか「旅行商品」を予約するかのいずれかで乗車できます。
指定席の場合は、「指定席券」と乗車区間を含む「乗車券」で乗車できます。
指定席料金はリクライニング席もコンパートメント席も1席あたり840円で、乗車券代と合わせてもかなりリーズナブルです。
ただ、人気の列車のため、指定席は発売直後に売り切れることも多いです。そのため早めに予約することが先決で、人気の切符を取るコツは次の項でご紹介します。
旅行商品の場合は「指定席利用とツアー利用の違い」でご紹介した通り、パッケージ商品としてツアーを予約する形式となります。
指定席券は1か月前(同日)の10時に全国一斉に発売されます。例えば、列車に2月15日に乗る場合、1か月前同日となる1月15日の10時が発売開始日時です。
海里は人気列車のため、発売日、特に発売開始直後に購入することが鉄板の方法です。
希望の指定席券を取れる確率を高める方法として、「えきねっとの事前申込」についてご紹介します。
この列車はJR東日本のネット予約サービス「えきねっと」からも予約でき、えきねっとには「事前申込」なる仕組みが存在します。これは、発売開始の1週間前から事前受付し、発売開始となる1か月前の10時から順番に購入処理される方法です。
結局は10時から順番に処理するものの、十分早いタイミングで予約を取ってくれます。何より手軽で、私も重宝しているおすすめの方法です。
観光列車を活用した旅でよくある悩みの一つが「列車を降りた後、何をするか」というもの。列車沿線で個人的なおすすめスポットをご紹介します。
あつみ温泉駅から2キロほどの場所にあつみ温泉街があります。
新潟→酒田行きの列車はチェックインには少し早い時間に到着しますが、足湯カフェや植物園などがあるため、散策してから宿にチェックインというのはいかがでしょう。他方、酒田→新潟行きの列車はそのままダイレクトに宿に向かうとちょうど良いダイヤです。
鶴岡駅からは、クラゲの水槽が有名な加茂水族館や出羽三山の一つ「羽黒山」方面へのバスが出ていますので、丸一日観光してみるのもオススメです。
なお、羽黒山はふもとの随神門からは山頂まで2500段近い石段を片道小一時間ほどかけて歩くので、スニーカーとそれなりの体力が必須です(笑)。時期によってはバスが山頂まで運転されますので、うまく使い分けるのがオススメ。私は往路は歩き、帰りはバスに頼りました。
新潟では「日本酒」、富山ではお寿司をテーマにした観光列車も運行されています。こちらもぜひ!