青森と秋田を結ぶ観光列車「リゾートしらかみ」の全ガイド!編成別の車内の様子や五能線海側のオススメ座席、車内販売や予約制の弁当等の受取、予約方法や料金を何度も乗った経験を元に解説!
「リゾートしらかみ」は、青森駅から風光明媚な五能線を経由して秋田駅を約5時間かけて結ぶJR東日本の観光列車です。
開放感のある車内からは見どころある車窓が、沿線には名所があちこちにあります。この記事では、そんなリゾートしらかみを利用した旅を一層楽しめるように、車内の様子や過ごし方、列車の楽しみ方や予約方法などを総まとめでご紹介します!
リゾートしらかみの路線図や見どころの一部を地図上にプロットしました。タップすると説明を表示できます。
列車は途中の川部駅・弘前駅・東能代駅の3駅で進行方向を入れ替え方向転換します。そのため区間によって海側の窓が変わる点に注意が必要で、こちらはオススメ座席の項でご紹介します。
初めに、この列車に何度も乗って感じた楽しみ方を3つご紹介します!
この列車の魅力は何よりも車窓です。窓が大きくとられた車窓からは、日本海や八郎潟、白神山地やリンゴ畑といったきれいな車窓をほぼ全線にわたって楽しめます。
車内や途中駅でイベントが開催されることもあります。例えば車内で津軽弁の語り部や津軽三味線のイベントが開催されたり、東能代駅では駅でバスケットボールのイベントが開催されることも。
また、千畳敷駅で長時間停車して駅の目の目にある海岸を散策できることもあります。
列車によって開催されるイベントが異なる点も魅力のひとつです。
更に、沿線グルメも欠かせない魅力の一つで、予約限定のグルメは必見です。予約制グルメは、詳しくは後ほどご紹介します。
また、青森側も秋田側も有名な駅弁が沢山あるため、車内に持ち込んで楽しむのも一興です。
駅弁はインスタグラムでご紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください!
ひとくちに「リゾートしらかみ」といっても、実はコンセプトや内装が異なる車両が3種類あります。ここでは、編成それぞれの車内の様子や編成間の違いや注意点をご紹介します。
リゾートしらかみは、沿線の魅力をテーマに3つの編成がそれぞれ「橅」「青池」「くまげら」と名付けられています。
ワイドな車窓や車内の座席タイプは同じですが、車両の種類から異なる編成もあって車内設備は若干異なります。ポイントを以下の表の通りまとめつつ、詳しい注意点はそれぞれの項で解説します。
座席タイプ | ボックス席の フルフラット化 |
車内販売 (セルフ) |
電源 | フリーWi-Fi | |
---|---|---|---|---|---|
橅編成 | リクライニング席 +ボックス席 |
全席可 | あり | 共用あり | あり |
青池編成 | 一部席で可 | あり | 共用あり | ||
くまげら編成 | 全席可 | なし | なし |
まずはメインとなるリクライニングシートをご紹介します。
編成によって椅子の座り心地こそ若干異なりますが、足元は広く、長いこと座っていても疲れにくいゆったりとした座席です。また、前の座席に跳ね上げ式のテーブルが備わっています。
続いてグループ旅行に最適なボックス席です。各編成の2号車には4人での旅行に最適なボックスシートが設定されています。
大型のテーブルがあるほか、個室ではないものの隣のボックスシートとは仕切られていて、プライベート感もあります。
こちらのボックス席の特徴として、フルフラットシートに変形させることができる点があります。
列車の中で足を伸ばしてゆったり談笑する贅沢を味わえます。また、料金がリクライニングシート利用時と同額な点もうれしいポイントです(ただし、3人以下で利用する場合相席になる可能性あり)。
なお、フルフラットにできる席番が編成によって異なるため注意が必要です。
フルフラットにできる席番 | |
---|---|
橅編成 | 2号車の1・2・8・9番席のみ可能 ※2025/3/15以降は1・3・15・17番席のみ可能 |
青池編成 | 2号車の全席で可能 |
くまげら編成 | 2号車の全席で可能 |
この他、各車両にはフリーの展望スペースがあります。
途中駅進行方向が変わるため、車窓がオススメの座席は乗車区間によって変わってきます。
結論としては、五能線区間に乗車する場合は、海側となるA席がオススメです!なお、ボックス席はいずれも海側に配置されていますので、どの席でもオーシャンビューを楽しめます。また、秋田~東能代間のみであれば、八郎潟が見えるD席がオススメ座席です。
上の図で進行方向が変わる駅と、区間ごとに海側・山側のどちらがどの座席と対応するかをイメージにしましたので座席決めの参考にご覧ください!
長時間乗車する場合は気になるコンセントやWi-Fi事情ですが、こちらも車両によって若干異なっていました。
フリーWi-Fiは各編成とも整備されていました。一方コンセントは橅編成・青池編成には車端部の展望スペースに共用コンセントがありますが、くまげら編成にはありませんでした。
電源が心配な場合、基本的にはモバイルバッテリーを持っていくのが無難かと思います。
車内販売の有無ですが、橅編成・青池編成にはセルフレジ方式のプチ車内販売コーナーがありますが、くまげら編成にはありませんでした。
メニューはソフトドリンクや簡単なおやつ、グッズ類のみですので、食事をしたい場合は駅で準備しておくか、次でご紹介する予約制の弁当を受け取っておきましょう。
なお、ときどき地元の特産品などの販売イベントが開催されることもあります。開催日はリゾートしらかみの公式ウェブページ[1]で公開されています。
この列車の運行に合わせて、事前予約限定で食事やスイーツを駅ホームで受け取ることが可能な「ごのたび」というサービスが展開されています。
事前に予約・決済を済ませておくことで、受取駅のホーム等で温かい食事を受け取って、そのまますぐ車内で頂けます。受け取れる駅やメニュー・予約ページはリゾートしらかみの公式ウェブページ[1]で公開されています。
以上が列車のご紹介で、ここからはこの列車の料金や予約方法についてご紹介します。
この列車は全車指定席の快速列車の扱いのため、「乗車券」のほかに「指定席券」で座席の指定(予約)が必要で、価格は以下の表のとおりです。
券種 | 区間・設備 | 価格 |
---|---|---|
指定席券 | 乗車区間・設備に依らず一定額 | ¥840 |
切符は駅の窓口や指定席券売機、またはえきねっと等のネット予約サービスから乗車日1か月前(同日)の10時に全国一斉に発売されます。例えば、列車に2月15日に乗る場合、1か月前同日となる1月15日の10時が発売開始日時です。
なお、列車本数も座席も多いこともあってか、比較的予約は取りやすいです。
リクライニングシートの指定席券は上記の方法で購入できますが、ボックス席に限ってえきねっとや指定席券売機では購入できず、駅の窓口で購入する必要があるため注意が必要です。
ただし、2025年3月15日乗車分からは、えきねっとや指定席券売機でもボックス席の指定席券を購入できるようになります。
観光列車を活用した旅でよくある悩みの一つが「列車を降りた後、何をするか」というもの。
この列車の沿線では、不老不死温泉や白神山地などの観光地、春は弘前の桜祭りなど季節折々のイベントがありますが、同じ観光列車つながりで五所川原から延びる津軽鉄道の旅はいかがでしょうか? 冬場は有名な「ストーブ列車」が運行されています。