JR西日本の株主優待の一筆書き切符で、金沢発の北陸新幹線から中国地方のローカル線を2泊3日で巡る弾丸モデルコースの前編。優待券を使った一筆書き切符の買い方もご紹介します!
今回は乗り鉄色が強めの旅行で、芸備線や木次線といった西日本エリア屈指のローカル線を巡る旅です。
旅の前段では延伸開業した北陸新幹線からスタートし日本海側のローカル線で鳥取まで目指します。その後、中国地方のローカル線を1泊2日で回り切る2泊3日の行程です。
前半にあたる本記事では、旅のルートや株主優待券での切符の買い方、前段の敦賀~鳥取の旅の様子をご紹介します。芸備線や木次線・福塩線を1泊2日で回るモデルコースは、後半の記事で詳しくご紹介します。
優待券を使った一筆書き切符の買い方や、ローカル線乗り鉄旅のモデルコース(?)としてご笑覧ください。
今回の旅の行程・路線図、見どころは以下の地図の通りです。地図右上のメニューをタップすると表示する情報を絞れます。
地図中の太線が一筆書き切符の区間、細線が別に買った切符の区間です。線の色は列車の種類で、青色が新幹線、赤色が在来線特急、黒色が普通・快速列車を表しています。
一筆書きの乗車券と、それに付随する特急券3枚を株主優待で半額にて購入しました。今回の経路では総額13,000円以上する切符が半額になったため、お財布にかなり優しい旅行になりました。
一筆書き切符(上図の赤線の区間)は、上図のように塩町駅付近で6の字経路になっています。
6の字経路の終点となる塩町駅から備後落合駅間は2回目の乗車となるため、2度目の塩町~出雲市間の乗車券は別で購入しました(上図の青線の区間)。
ここでは、株主優待券を使った一筆書き切符旅に向けて、優待券のルールや切符の買い方をご紹介します。
初めに、今回使用したJR西日本の株主優待券の基本的なルールと気を付けるポイントをご紹介します。
一筆書き切符は距離の長い「片道乗車券」ですので、優待券で購入することができます。また、他の割引切符では使えない期間となることも多い年末年始やGW,お盆も含めて年中利用できる点は優待割引の大きなメリットです。
一方で注意点として、乗車券がJR西日本管内完結でなければならない点が大きなポイントです。JR線はエリアごとに会社が分かれており、JR西日本は主に近畿、北陸、中国地方を管轄していますのでこのエリア内で片道切符のルートを考えることになります。具体的に近畿北陸圏では、東海道新幹線全線や東海道線の米原駅・北陸新幹線の上越妙高駅・紀勢線の新宮(和歌山県)以東はエリア外のため、切符の経路に含めることはできません(正確には、境界駅から別で切符を買うことになります)。JR西日本エリアの路線図は、JR西日本のウェブサイト[1]で確認できます。
今回の旅程は北陸をスタートし、JR西日本エリアを西に横断するような経路になっています。
ご参考に、一筆書き切符の基本ルールや考え方については、以下の記事で詳しくご紹介していますので併せてご覧ください!
基本的には、手元に優待券があるかないかだけの違いで、切符の買い方は普段と大差ありません。みどりの窓口やみどりの券売機、e5489から都合の良い方法で購入しましょう。ただし、一筆書き切符は経路が複雑で券売機では買えないケースが多いため、優待券を使う場合もみどりの窓口で発券をお願いするのが最もスムーズです。
その際、口頭で経路を説明しているとミスのもとなので、経路をあらかじめ紙に書きだしておくとスムーズです。今回の切符であれば、以下のように記載したメモを準備しました。
因美線の東津山駅から芸備線の備中神代駅の間は直通列車に乗車し、路線図上でも入り組んでいてわかりにくいですが、他は路線図通り乗換駅と路線を記載していけばOKです。なお、先述のようにJR西日本の優待券で切符を買えるのは、JR西日本管内のみ(東京駅や名古屋駅では買えない)の点にはご注意を。
それでは、切符も準備できたところで、旅のスタートです! 初日は2024年に延伸開業した北陸新幹線の金沢~敦賀を利用しつつ、日本海に沿って鳥取を目指します。
まずは、開業したての北陸新幹線に乗って敦賀を目指します。
朝ごはんに金沢駅で購入した駅弁をいただきます。こちらは延伸開業を記念して発売された福井の駅弁で、いくら入りの蟹めしにサーモンのマリネやしぐれ煮など具だくさんで満足の逸品です。
敦賀駅では、大阪方面の特急サンダーバードや名古屋方面の特急しらさぎの乗り換え導線が目立つように書かれているところ、ここからは少し離れた在来線(普通列車)のホームまで5分ほど歩きます。
よくあるのどかな在来線の駅らしい場所までやってきました。奥に写っている要塞のような建物が新幹線のホームと特急用ホームです。
12両編成の新幹線で到着しましたが、ここからは1両のこじんまりとした電車で若狭湾沿いに舞鶴方面を目指します。
7~8割椅子が埋まったところで、敦賀駅を発車します。
しばらくは緑の景色が続きますが、おおい町のあたりでは時折右手に海の景色が見られることも。この日は基本的に日本海に沿って移動するため、進行右側にビューポイントが多いです。
食後でのんびりうとうとしていると東舞鶴に到着、先ほどと同じ車種の車両で綾部駅まで。
綾部で再び乗り換え、豊岡までは「特急きのさき」で向かいます。一筆書き切符は青春18きっぷと異なり特急にも乗れるため、長い旅路では積極的に使うことにしています。
今回は確実に座ることを優先して普通列車の始発駅にあたる豊岡駅で乗り換えましたが、この列車は豊岡から少し先の城崎温泉まで走っていますので、城崎温泉駅で途中下車して散策やひとっ風呂浴びたり、いっそここで一泊するというのも一興です。
ちなみに、城崎温泉駅から乗っても十分座れるくらいの乗客数でした。ここからは2時間半ほど古いディーゼル車に乗って一路鳥取を目指します。
古いディーゼルカーの揺れや音からしか得られない栄養素があります…。
朝からの乗り鉄旅で少し疲れも出てくるころですが、ここで今日のハイライトとなる絶景が待っています。
豊岡から8駅先の餘部駅手前では、絶景の餘部橋梁を渡ります。トンネルを出ると眼下に海が広がる景色を右側に見ることができます。この景色はお見逃しなく!
浜坂駅で30分ほど時間調整を挟んだのち、6時半ごろに鳥取駅に到着し初日の旅行は無事終了です。
明日からいよいよ中国地方ローカル線の満喫旅ですが、今回の記事はここまでです。
旅の後半、中国地方のローカル線を満喫する行程は以下の後半記事をご覧ください!