春から夏にかけて北海道の釧路を走る風物詩「くしろ湿原ノロッコ号」の車内の様子や景色がオススメの座席、車内販売などの楽しみ方、切符の料金や予約方法、人気の切符を取るコツを5分でわかる記事で解説!
「くしろ湿原ノロッコ号」は、春から夏に釧路湿原を走る人気のトロッコ列車(観光列車)です。具体的には、北海道の道東、釧路駅から出発し釧網線の釧路湿原駅~塘路駅を片道40分程度で結ぶ列車が、1日に1~2往復しています。
車窓からは釧路湿原の大自然を堪能できることは言うまでもなく、時にはエゾシカやタンチョウといった北海道ならではの動物を間近に見られることも! この記事では、そんな北海道を大地を気軽に感じられる観光列車の楽しみ方やオススメの座席などの”実際のトコロ”をご紹介します!
ノロッコ号は、冒頭にご紹介したように日によって運行本数が異なります。例年ゴールデンウィーク前後から運航を開始し、6月以降は基本的には平日を含めた毎日運行、さらにハイシーズンにあたる7月後半から9月にかけては運行本数が2往復に増えます。
そのため、普段は列車本数が少ないために途中下車しながらの行程が組みにくい釧網線でも、ノロッコ号と定期列車を組み合わせることで名所の駅で途中下車しながらの柔軟な行程が組めるようになることも大きな特徴です。
※この列車は2025年シーズンを最後に引退し、運行を取りやめるとの発表がありました。乗るなら2025年が最後のチャンス!
この列車の醍醐味は、北海道の雄大な大地を車窓からじっくりと楽しめる点にあります。
草原や水辺など、移り変わる車窓を楽しみつつ、時には動物の姿を目にできることも!
この列車には車内販売があり、プリンやパイなどの軽食、サイダーやビールなどのドリンクに加え、ノロッコのグッズ販売も。往路で売り切れることもあるノロッコ号プリンや限定グッズは見逃せません!
また、釧路駅は有名な「ほっかぶり寿司」などの駅弁もあるので、駅弁を持ち込んでの食べ飲み旅もオススメです。
ノロッコ号は客車4両の編成で、展望車の2~4号車が指定席、普通客車の1号車が自由席です。
オススメは窓が大きくトロッコ列車を思わせる展望車(指定席)で、6人掛けのテーブル付きのボックス席と、2人掛けのカウンター席(ドリンクが乗せられるミニテーブルあり)で構成されています。
6人掛け座席は大きなテーブルが備え付けてあるため、車内販売や駅弁を広げるにはちょうど良い座席です。
通路を挟んで反対側は2人掛けの座席はカウンター席で、窓枠にミニテーブルがあります。また、背もたれを動かせて、窓側に向けたり、釧路川側の通路側に向けることもできます。
また、自由席は4人掛けのボックス席です。
ノロッコ号の中でもオススメの座席は、釧路川側にあたる6人掛けボックス席の窓際です!
釧路川や水門、川と湿原の広がる風景は基本的にボックス席側の窓側(塘路駅を向いた時の左側)に集中しています。そのため、車窓を楽しむ観点では、釧路川側の座席がオススメです。
ただし、反対側になる2人掛けのカウンター席でも湿原を楽しめるスポットがあるほか、釧路川側に座席を転換(背もたれが可動)することもできるため、どの座席からも気軽に絶景が楽しむことはできます。
2人掛けのカウンター席を取る際は1点注意すべき点があります。それは、座席によっては座席に窓枠が被ってしまう席があるという点です。
釧路川側を向いて座る場合は問題ありませんが、窓側を向いて座る場合は、目の前に窓枠が来てしまう場合がある点に注意が必要です。
ノロッコ号の2号車には車内販売カウンターがあり、スイーツ等の軽食やドリンク、グッズなどを購入できます。
のんびり旅の彩に利用するのもオススメです。なお、2024年春時点では、支払い方法は現金のみでしたので、ご注意ください。
また、ノロッコ号公式ページに車内販売メニューも掲載されています。
ノロッコ号の利用には、乗車区間の「乗車券」と、2~4号車の指定席利用時は「指定席券」が必要です。金額の例は以下の通りです。
注意点として、券売機が設置されているのは釧路駅のみなので、指定席券や乗車券の発券は釧路駅以外では行えません。この後ご紹介するえきねっとで予約した切符の発券や、途中駅から乗車する予定がある場合は、事前に釧路駅などで切符を発券することをお忘れなく! なお、「指定席券」に限っては、あとでご紹介するえきねっと(Web予約サービス)で発券不要なチケットレスサービスが利用できます。
ノロッコ号の指定席券は、乗車日の1か月前の10時から全国で一斉に発売されます。例えば、列車に6月15日に乗る場合、1か月前同日となる5月15日の10時が発売開始日時です。
希望の指定席券を取れる確率を高める方法として、次の項で「えきねっとの事前申込」と「10時打ち」についてご紹介します。
この列車はJR東日本のネット予約サービス「えきねっと」からも予約でき、えきねっとには「事前申込」なる仕組みが存在します。これは、発売開始の1週間前から事前受付し、発売開始となる1か月前の10時から順番に購入処理される方法です。
結局は10時から順番に処理するため、次に紹介する10時打ちにはタイミング負けしそうだと想像していますが、十分早いタイミングで予約を取ってくれます。駅に出向く時間がない場合は手軽で、私も重宝しているおすすめの方法です。ただ、カウンターやボックスなどの細かい希望までは入力できないため、希望通りの座席が取れるかは運次第です。
また、この列車はえきねっとの「チケットレス事前申込」を利用することもできます。「事前申込」と名前が似ていますがルールが異なっており、こちらはえきねっとアプリ限定かつチケットレス(指定席券の発券が不要)であれば乗車日の2か月前の1日から受付を開始する仕組みです。購入処理は「事前申込」と同様なので早く申し込んだとて確度が上がるわけではなさそうですが、発券が不要になるため釧路湿原駅など無人駅から乗車する場合は重宝するかもしれません。
この方法は、発売日の10時前に窓口に行き「10時発売の切符を取りたい」というと、(駅によりけりですが)専用の列で待ち、10時前にその列の先頭から窓口に案内され、10時の瞬間に予約発信してもらえるというものです。座席の希望も比較的柔軟に聞いてくれるため、希望の座席がある場合はこちらの方法がオススメです。
ただ、全国の駅で同じことをする人がいるので、最後は運に任せるしかありません。また、最近は窓口が少なくなっていることもあり、駅に着いたころには窓口の数以上に並んでいたり、そもそも対応してくれない駅もあるので事前に様子や対応可否は駅に確認しに行くのが安全です。
なお、JR東日本・JR西日本管内の指定席券売機では窓口と同じく、10時ちょうどから購入できるようになりました。とはいえ、窓口で買うことと比較するとタイミング負けしそうなので、えきねっとの事前受付と使い分けるのがよさそうです。
いかがでしたでしょうか? この記事が道東旅行の一助になれば幸いです!
また、ノロッコ号と定期列車を組み合わせた半日モデルコースの旅ログもございます。旅の計画の参考にぜひご覧ください!