JRの切符の変更・キャンセルにはいくらかかる?JRの通常の乗車券や特急券を使用開始前に変更・払戻しする際のルールやキャンセル手数料を5分で解説! サンライズ瀬戸・出雲やサフィールの具体例も。
既に切符は手元にあるけれども、予定が変わった…という場合、基本的には切符を変更するか、キャンセルして払戻すかのどちらかを取ることが多いかと思います。
ただ、安直にキャンセルするともったいないケースも…!
実はJRの切符はかなり柔軟に変更が許されるため、例えば次の週に全然違う近場に出かける予定の切符に変えるなど、「乗車変更」をうまく使うことでお得に対応できる場合があります。
この記事では、JRの通常の切符(紙の切符)を使用開始前に変更や払戻しする際のルールや、キャンセル時の払い戻し額(キャンセル料)の計算方法を、具体例も交えて詳しく解説します!
※割引きっぷ・ウェブ予約の切符・旅行会社等で購入した切符、及びダイヤ乱れ時や運休・遅延時等の取扱いは別に定めがあり本記事の取扱いとは異なる場合(有利な場合と不利な場合どちらも)がありますので、それぞれ切符のルールをご確認ください。
まずは使用開始前の切符の変更についてご紹介します。
JRの切符は、使用開始前で有効期間満了前(または指定列車の発車前)の切符であれば、1回に限って、変更時点で買える同じ種類のきっぷに手数料なしで変更できます[1]。
この時、日付も区間も変更可能で、変更前後で料金に差額が発生した時は差額を精算します。
変更の種類 | 変更可否 |
---|---|
日付・時刻の変更 | 〇 ※発売可能な1か月先までの期間に限る |
列車の変更 | 〇 |
区間の変更 | 〇 ※全く違う区間でもOK |
切符の種類の変更 | × ※詳細は後述 |
例えば、上記の条件を満たせば以下のように東京から大阪へ旅行するために買った「3月10日の東京→大阪の乗車券」を翌週に某テーマパークに行くための「3月17日の千葉→舞浜の乗車券」に変更できます。
同様に特急券も変更可能で、「3月10日の東京→大阪 のぞみの指定席特急券」を別日や東京→京都に区間を変更したり、極端には「3月17日の稚内→札幌 特急宗谷の特急券」に変更することも可能です。
日付や時間(指定列車)の変更は普段からよくあるケースかと思いますが、全く違う区間にも変更できる点は、見落としがちなポイントです。
なお、「同じ種類の切符」とは、乗車券なら乗車券、指定席特急券なら指定席特急券と同じ種類どうしの切符への変更が原則になります。そのため、乗車券を特急券には変更できません。
ただし、自由席特急券から指定席特急券のように自由→指定への変更は可能(指定→自由は原則不可)です。具体的に変更ができるケースの例は以下の通りです。
変更元の切符の例 | 変更できる切符の例 |
---|---|
乗車券 | 乗車券 |
自由席特急券 | 自由席特急券 指定席特急券 |
指定席特急券 | 指定席特急券 |
※乗車券は、片道・往復・連続いずれでもOK。
※指定席特急券は、グリーン車指定席や寝台特急などを含む。複数人用の個室の場合は、全員分を同時に変更する場合のみ変更可能。
ただし、変更は1回までなので、1度変更した切符をまた変更したい場合は、払い戻して買いなおしになります。払い戻しのルールや払い戻し額を次の項でご紹介します。
切符を事前に払戻す場合の手数料は、大きく「指定がない切符」と「指定がある切符」の2種類で異なります。わかりやすく言うと、切符に席番や部屋番が書いてるか書いていないかの違いです。具体的な金額は以下の通りです。
切符の種類の例 | 払戻し条件 | 手数料 |
---|---|---|
【指定がない切符】 乗車券 自由席特急券 指定席特急券(立席) |
有効期間満了まで | 220円 |
【指定がある切符】 指定席特急券 寝台券 指定席グリーン券 座席未指定特急券 指定席券 |
出発2日前まで | 340円 |
前日~出発時刻まで | 30% (最低340円) |
「指定のある切符」は前日以降キャンセル料が高くなるため、キャンセルする場合は2日前までに決断するのがオススメです。
なお、1度変更した切符を払戻す場合の手数料は、変更後の切符の有効期限に対して計算します。ただし、前日~発車時刻までの【指定のある切符】を変更した場合は、時期によらず手数料は30%です。
また、特急券+グリーン券や特急券+寝台券のように、ニコイチで発券されるきっぷの場合、手数料はグリーン券や寝台券などの設備料金にのみかかり、特急券の料金はそのまま返金されます。以下で具体例として、サンライズ瀬戸・出雲(寝台特急)やサフィール踊り子(グリーン個室・グリーン席)での例を後半でご紹介します。
ここまででご紹介した通常の切符(紙の切符)の変更や払戻は、みどりの窓口で対応してもらえます。
窓口で切符と変更・払戻したい旨を伝えることでスムーズに対応してもらえます。なお、クレジットカードで購入した切符の場合は、購入時に使用したカードが必要になりますので忘れずに持参しましょう。
一部の(=よくある)変更・払戻のケースでは、指定席券売機(みどりの券売機)で対応できる場合もあります。具体的には以下のケースなどが該当します。
いずれの場合も券売機のメニューにボタンがありますので案内に沿って操作します。ボタンが見つからない場合は、とりあえず変更(払戻)したい切符を切符の挿入口に挿入すると、対応するメニューのみ押せるようになるためこちらの方法でもOKです。
券売機では対応できないケースの場合は、途中で「取り扱えない」との案内が表示され切符はそのまま返却されます。その場合は窓口で対応をお願いしましょう。
また、駅にみどりの窓口がなく指定席券売機もない、かつ払い戻し期限などの関係で別日の対応などが難しい場合は、最終手段として改札口の係員に相談してみてください。その場で変更・払戻はできなくとも、払い戻しや変更を申し出た証明を切符にもらって後日対応可能になる場合があります。
ケーススタディとして、寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」の切符(乗車券と寝台特急券)を払戻す場合の手数料と払い戻し額の例は、以下の通りです。
乗車券は当日まで(正確には有効期間満了の10/5まで)手数料220円で固定です。
一方で寝台特急券は、前日までは寝台特急券1枚に対して340円ですが、前日以降は寝台料金13,980円に対して30%かかります。
特急・寝台券をよく見ると、特急料金と寝台料金の内訳が書かれており、このようにキャンセル料金の算出時に役に立ちます。
ケーススタディとして、特急「サフィール踊り子」の切符(乗車券と特急・グリーン個室券)を払戻す場合の手数料と払い戻し額の例は以下の通りです。
乗車券は当日まで手数料220円で固定です。
一方で特急・グリーン個室券は、前日までは340円ですが、前日以降はグリーン料金16,800円に対して30%かかります。
座席の場合も同様の考え方です。乗車券は当日まで手数料220円で固定です。
一方で特急・グリーン個室券は、前日までは340円ですが、前日以降はグリーン料金2,800円に対して30%かかります。
ここまで、旅行開始前に切符の変更や払い戻しを行うルールをご紹介しましたが、当日列車に乗り遅れたときのルールについても簡単にご紹介します。
使用開始前の乗車券や自由席券は有効期間内であれば有効なので、別の列車に乗ったり、ここまでご紹介したルールで払い戻しや変更が可能です。
一方、指定席特急券など「指定がある切符」の場合は、指定列車発車後は無効になり払い戻しはできません。ただし、救済措置として、当日に限り、後続の特急の普通車自由席(全車指定席の場合は立席か空席利用が基本。ただし観光特急等は不可。)に限って乗車することが可能です。